雨が止んだ日


彼の家に着いてから、もう一度麻婆豆腐を温め直して二人で向かい合って食べた。


彼と一緒にする「いただきます」はどんどん増えていく。
せっかくなのでそのまま泊っていったらどうかと誘われたけれど、何の準備も支度もしていないので断ることにした。
遅いので送ると言われたけれど、男ですから、と苦笑してそれも断った。

嬉しいことと言えばメールアドレスと電話番号を交換したことだ。



「明日の予定はメールで伝えるね。涼太くんも何かあったら、いつでも連絡して」



そう言って彼は、暗い夜を街灯だけが照らす道のりを何度も振り返る俺に向かって、彼もまた何度も小さく手を振った。




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