雨が降った日
ーー優しさはときどき凶器にも変わる。
良かれと思ってしてきた優しさはいつしか小さな棘のようにズキズキと相手を苦しめる。
あまりにも小さいから気づかないで放っておくと、それは徐々に痛みを増し、取ろうと思ってもなかなか取れないでいつまでも付きまとう。
俺に刺さった傷は、もう取れないほど食い込んでいる。
あなたが理想とする小田涼太の正体は、女性を傷付け、友人に性壁を隠し、妻を亡くして可哀想な男が好きな、そんな的外れな人間ですなんですよ。
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