「おい!また食ってねえじゃんか」

大広間で朝食を食べていたところやっぱり小さなパイしか食べていないティアラをみてシリウスが大声を上げた。

「え…そんなことない、よ!お腹、あんまりすいてないからさ」
「…朝なのに、か?」
「う、うん」
「…ふーん」

シリウスは怪しげにチキンを食べながらまたティアラの皿の中に次々と食べ物をいれていった。

「だからお前そんな細っこいんだよ!ピーターの食べっぷり見習えよな」
「う、うん」

ひどいよ!シリウスー!なんてシリウスとピーターが言い合っているうちに大広間の窓から多くのふくろうが入ってきた。

「ふくろう便!」

まだ見たことがなかったリリーが興奮しながら話していた。手紙なんかくることはないと思っていたティアラの前に一通の手紙と新聞が置かれた。

「…だれから、だろ?」

宛名をみると絶対にくることはないと思っていた父からの手紙だった。

しかも、 赤い。

シリウスの方をちらっと見るとシリウスの手にも赤い封筒があった。これはいわゆる吠えメール。開けないとあとから面倒だけど、

再びシリウスをみると今度は目が合って一緒だな、と口パクで笑いかけてきた。

「よし、一緒にあけんぞ」
「開ける、の?」

驚いている間にシリウスがティアラの吠えメールを取って封筒を開けていた。

「ちょ…」
『グリフィンドールなんぞ(なんて)、許さんからな!(許しませんよ!)』

轟音と共に大広間中にティアラの父とシリウスの母からの叫びに近い怒鳴り声が響いていた。周りにいたジェームズたちはもちろんのこと、グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、最悪なことにスリザリンの寮生までシリウスたちをみていた。

「お前の父さんと俺の母親、気が合いそうだな」

なんて笑っているシリウスにティアラは気が気じゃなくて、周りからの視線に耐えられず倒れそうになっていた。

「あはは!本当に愉快な親たちだね!揃いも揃って同じ言葉とは」
「まったく、自分の子供が入った寮なんだったら認めなさいよね!気にすることはないわ」

ジェームズやリリーが励ましてくれてなんとかちゃんと意識が保てた。

そして何より、

「お前には俺がついてんだから、大丈夫なんだよ。こんくらい無視しとけ!」

今の私にとってシリウスの言葉がすごく心強かった。