「起きて、ティアラ!今日はついに闇に対する防衛術の授業よ!」
なんて朝からリリーは意気込んでて授業の予習もばっちりみたいだった。まだ寝ぼけ眼の私は急いで身支度を整えようとした。
「…ちょっとティアラ?あなた、シャツのボタンかけ違えてるわよ?」
「え…?」
リリーの言葉にぼうっとした頭をフル回転させて今しがた着たシャツをみてみると、ほんとだ…最後に2つボタンが余ってる、
「やだ、ティアラったら!子供じゃないんだから!」
そうクスクス笑いながら私のかけ違えたボタンをちゃんと直してくれた。…いつもは使用人がやってくれてたからなあ、なんてまだ眠たい頭を働かせながら急いで用意をした。
「…わたしって、なに一つ自分でできないんだ。」
「え?なにかいった?」
私がぽつりと呟いた言葉は誰に届くわけでもなく初めからなかったように消えていった。
いつものように暖炉の前で待っていたシリウスたちに笑顔であいさつをして皆で大広間にいく。
「よお、ティアラ。今日は寝れたのか?」
初日の出来事からシリウスは毎日私に聞いてくる。あれから皆がすごく気を使ってくれてなんとか安心して眠れてる、はず。
「うん、大丈夫だよ」
「ん、それはそのクマを無くしてから言えな、」
なんて笑いながら言ってきてから初めて自分が寝れてないことに気付いた。
…また私は迷惑をかけてる、
こんな気持ちばっかりが渦巻いて私はまだあの頃から抜け出せないでいる。
「おい!ぼけっとすんなよ」
その声にはっ、として笑顔でシリウスたちの元へいった。こうしてれば皆に迷惑をかけることはない、大丈夫。まだシリウスたちと、笑っていたいから。
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