シリウスと付き合い初めてから毎日が幸せだった。今まであんなに遠かったシリウスが今では目の前にいる。


でも…


「ごめんシアラ!ちょっといってくる」


なんていつもの言い訳をして二人の時間をつぶす。

「あ、うん」


本当は行ってほしくなんかなくって、ぎゅって抱きしめて欲しいんだよ。君が遠ざかっていく。その背中を見て、また私はひとつ涙を落とすの。



「ごめんな、シアラ!遅くなって…」


シリウスが談話室に帰ってきたのはもう就寝時間を越えていて…暖炉の火はもう消えかかっていた時だった。


「ううん、お帰りなさい」


君にぎゅって抱き締められる度に今までのさみしい気持ちなんか飛んでいって、その度に香る甘ったるい香水のにおい。それに気付かないフリをして笑顔で君のキスを受け入れるのも慣れてしまって、また私の心に闇をおとした。


「好き…、シリウス」


呟いた声は暖炉の火が燃える音にかき消されて君には届かないだろうけど、溢れんばかりの涙をシリウスにバレないようにシリウスの胸に顔を押し付けていた。


私が好きというと、あなたはなんだか苦しそうな顔をする。私を抱き締めるたびに泣きそうな顔をする。ああ、この苦しさから誰か私たちを救いだして



心の中で警報が鳴っている。離れなくちゃ、離れなくちゃ。依存してはだめ、


分かってるよ、分かってるけど…体はいつも君を求めているの。この切ない気持ちに誰か終止符をうってください、





(正しさは胸の中にあるらしい)(本当は…君と、)






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