あれから何分たっただろうか。まるで時が止まったようだった。
「あ、あの!ごめんなさい!私こんな事言うつもりじゃなくてほんと、」
「嘘なの?」
「…え、」
「だから俺の事好きなのって嘘なの?」
「や…嘘じゃ、ないです」
私は掠れる声で伝えた。ふられるなんて分かってた。シリウスの困った顔なんて見たくないし、ああ、だめだ…泣けてきた。シリウスの顔が見えない、
私、ぶさいくな顔してるんだろうな…
「いいよ、付き合っても」
…え?
私の告白は、君に伝わったの?…君に私の気持ちはちゃんと伝わったの?
「俺の事、好きなんでしょ?じゃ付き合う?」
なんか、違う…
私の想いは…
「今彼女いないし、な?これからよろしく」
「っ…うん…」
余りにも君が綺麗で…頷いてしまった私はもう君と同罪で、私が望んでいた愛の形ってこんなのだっけ?
私の本気の言葉は君に届いたのだろうか?君の言葉は本気なのだろうか?
大きな疑問がちっぽけな私の中をぐるぐるまわる。
嬉しいはずなのに、ぽっかり空いたこの気持ち。そうやって私と君は廻っていく。
(本気の言葉を知らない人)(君の側にいれるなら本気じゃなくてよかったの)