08
「ヒナ!君の好きなパイだよ、僕の分あげるね」
「え!ほんと?リーマスやっさしー!」
「いやいや、ヒナのためだからね!お安いご用さ!」
「…」
「ヒナ!魔法薬学、一緒にペアになってくれない?」
「うん、いいよー!よろしくね」
「…」
「ヒナ!今度のホグズミート一緒に行かないかい?」
「もちろんおっけ、」
「させねーよ!」
ずいっとシリウスがヒナとリーマスの間に入って割り込んでそう言った。
「えー、なにシリウス!邪魔しないでよう」
「シリウス…何か用かな?」
ひいっ、ちょっと。リーマス怖いって!はっ、いや!そんなこといってる場合じゃねえ!
「な、なんでいきなり!お前らそんな仲良しになってんだよ!」
「へ?別に良くない?私たち仲良しだもん」
「うんうん、元々だし。どしたのいきなり」
ねー?とか言ってお互い顔を寄せてクスクス笑ってる、
「ちょ、おいおい!存在を無視すんなよ!」
「あ、まだいたのシリウス」
なんかもう俺…ないものにされてるし、
「ってもういねーし!」
1人つっこみをしている間にもう2人はいなかった。その頃、ヒナとリーマスは
「ふふふ!あのシリウスの顔!さいっこうね!」
「あれは傑作だよ!さすがヒナの作戦はすごいね」
「でしょ!やっぱり好きな子ほどいじめたくなるのよね!」
「まったくいい性格してるね」
「よし!また明日も頑張るぞー!」
「最善を尽くすよ…」
ここまでの概要を少し説明しておこう、それは時をさかのぼること3日間、急にヒナが『シリウスをいじめると楽しいのよねー、』なんて言い出して今にいたっている。
僕は楽しそうだからそれにのっただけだけど、まあ、あんなに面白いシリウスなかなかないからもうちょっと鑑賞することにしよう。はっきり言っちゃえばいいのに、両想いなんだから。ばかな2人だよ、まったく。
―――翌日
「リーマス!朝ご飯たべにいこ!」
「うん、いいよ」
1日たったら変わってるかと思ったらまったく状況は変わってなかった。というか!なんでエバンスもジェームズもピーターも…いやピーターはちがうか…なんであの2人のこと何も言わねーんだよ!
ジェームズとエバンスはいつもでは絶対にない仲良さだし、ピーターは菓子くってるし…いやそれはいつもか、どしたんだよ!皆!
「ふふふ、よしよし!いいかんじね」
「ヒナ、ばれた時気まずいと思うよ?」
「大丈夫!バレないようにするからさ!シリウス意外とバカだし」
「あ…、ヒナ!僕ちょっと用事思い出したから!」
「え?ちょっ…リーマス?」
いきなりすごい勢いで走り去っていったリーマス。
「どうしたんだ…ろ、」
「どうしたんだろうな、」
後ろに振り向いた瞬間お目見えしたのは
「誰がバカだって?」
「シ、シリウス…」
「なるほどな、やっと謎が解けたぜ」
「あはは、なんのことかな」
「どうせ俺のこといじめて楽しんでたんだろ?」
「いや、その…あ!そういや私も用事が…」
「逃げれるなんて、思ってないよな?」
「あ、はい。もちろんです」
「まじ、お前ふざけんなよ!」
そこから長々とシリウスの説教が始まった。そのころリーマスは、
「好きな子ほどいじめたくなる、か…お互いさまだよね」
黒い笑みを浮かべていました。
(お前!俺がどんな思いだったと…)(どんな思いだったの?)(ばっ…言わねーよ!)