非日常的、日常



まあ言ってみれば平凡な私だけれど。勉強もあんまり出来ないし、いや、馬鹿なわけじゃないと思うけど。進学校だったしね。取り柄といえば悪運の強さぐらいで。けど、この仕打ちはどうかと思うのよ!

目の前に広がる草原!山!

今さっきまで部活が終わって学校から帰ってる途中で、疲れたな、なんて思ってたのよ!?ちょっとまって、ここどこですか。なんで草原しかないんですか。

頭の中には?ばっかり飛んでいて、残念ながら私はこんな状況についていけるほど頭は上手く出来てないみたい。むしろ、夢?なんて思ったけど歩いてる途中に寝たことなんてないはず。というか今からも出来ないよ、そんなこと。

「もう…なにこれ、」

そんな言葉しかでてこないが、周りには誰もいなくてさわさわと草が揺れる音しかしない。うん、おばあちゃん家の周りに似てる。そうだそうだ。似てるよ。こんくらいのだだっ広い草原があってよく昔は走り回って遊んで…

「Hey!そこでなにしてるんだ?」

まあ、こんなふうに声かけられたことは無かったんだけどがむしゃらに遊んでた気がする。一緒に遊んでたまあくんは元気かな?昔は鼻水たらしてよくつけてきたけど、

「Ah?聞こえてんのか?おい!そこのお前!」
「まあくん…少しはかっこよくなったかな?」
「知らねーよ、」

いきなり後ろから肩を捕まれてそのまま勢い余って捕まれた人に向かって倒れていった。うん、言うなればバックドロップが上手く決まった感じかな。もちろん私はブリッジしてますけどね!

「痛ぇ!おま、なにすんだ!」
「なにって、バックドロップ…って君だれ?」

バックドロップかけられた人は勢いよく立ち上がってブリッジをしたままの私に痛い、と不満を漏らしてきた。そりゃ痛いだろ!だってなまえちゃんの奥義バックドロップ…初めてやったけど。というか、ほんと君だれ?

「誰だ?奥州筆頭、伊達政宗をしらないとはいい度胸してんじゃねーか」

偉そうにしてるけど…ああ、今巷で人気のコスプレイヤーですか。なんだか手の込んでそうな鎧(コスプレ)してるけど…。ちょっと、私そういうのあんまり興味ないっていうか、あんまり対応しきれないっていうか…そろそろブリッジから立ち上がろ。痛いや。

「全部声に出てんぞ」
「わお、すみません」
「それでお前は何者なんだ、奥州の者…じゃねえな」
「奥州…って、いやいや!超東京人です!はい!」
「Ha?とうきょう?」

東京に不思議がってる伊達さん(仮)ああ!成りきっちゃってるんだ!なるほど!コスプレイヤーは身も心も伊達政宗なのね!

「それに…お前の身なり、おかしいだろ」
「身なり…?え、制服ですけど」
「制服?その奇妙な着物がか、」
「うちんとこの学校、女子高でこの制服、マニアにはかなり人気なんですよー!あれ、伊達さん?」
「…南蛮の者か」

そう言いながら目付きがさっきとまったく変わって腰にさした刀をゆっくりと抜いている。…目が本気だ。体の周りからでているピリピリとした殺気にあてられて足が動かない。

「害をなすかもしれねぇからな、斬るぜ」
「っは…、」

口の中が以上に乾いていて水分がないので口からは掠れた声しかでない。さっきまでの伊達さんじゃない。なんだろう、殺されるってこんなに怖いんだ。

「やっ…!」

伊達さんの刀が降り下ろされた瞬間、目の前が真っ暗になった。それからは覚えてない。目が覚めたのは、豪華な、純和風の畳部屋だった。



非日常的、日常




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始まりましたっ
BSRトリップー!

だらだらと長い文だ…

080627 エコ