助けてを叫ぼう!
どこまで続いてんの、っていうくらい長い廊下をなるべく急いで通る。中庭みたいなところには綺麗な花とかがいっぱい咲いていてちょっと見とれそうになったけど、
早く帰りたい、早く。なんて思っている内に長かった廊下には最後がきたようで、角を曲がったらなんとなく出口があるような気がした。ああ、絶対こういう時って悪いことが起きるんだよね、
「ぎゃっ、」
目の前がいきなり真っ黒になって、誰かとぶつかったことが予想された。でも次に来るであろう痛みはない。固く瞑った目を開けるとまだ目の前は明るくなかった。
「っと、大丈夫か?」
渋いなんともいえない低音が耳のすぐ近くで聞こえていて、うん、なんだろう。あれだ、骨抜きになりそうだった。その声の主は、倒れそうになった私の腰を抱えている。
「だっ、大丈夫じゃ、ないです」
「どこか打ったか、」
その私の返答に勢いよく体を押して、真正面から顔を覗いてきた。その渋い声の男性は伊達さん同様、端正な顔立ちで。顔に入った傷がなんだか昔のヤクザ映画に出てきそうで。けど相変わらず変な格好…
「お前は…確か政宗様が連れてきた、」
「あ、あの…帰ります。帰らせてください。何もしないんで。すいません」
相手の言葉を遮って、またもや廊下を駆け抜ける。けど、後ろからは、同じような足音が。
「まて!なぜ逃げる!」
「え!?なぜ!?追いかけてきているからでしょう!」
なんだかよく分からない追いかけっこが始まったことから、廊下を走る足音が沢山鳴っている。というか、怖い怖い怖い!あの人すごく怖いよ!
「ちょっと待て!」
「ぎゃっ、」
二回目の叫び声が聞こえた時にはまたもや目の前は真っ暗で。うん、また誰かに腰を支えられてる。いや、触られてる、ううん、撫でられてる。
「危ねえじゃねえか、」
ちょうど真上からどこかで聞いたことのある声が。見上げなくてもわかる。あの人だ、
「Hey、また会ったな」
「あはは…どうも」
目の前にはコスプレイヤー(殺人未遂者)と、後ろにはヤクザ映画に絶対出てくる方(追いかけてくる)。それを認識した時は、もう冷や汗で制服をびちょびちょになってた。
助けてを叫ぼう!
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なぜか変態な筆頭←
絡みが少ないですよね、
ははは…
090712 エコ