差し伸べられた暖かい恐怖



未来からからきました発言をしてからますます伊達さんの興味をそそってしまい未来のいろんな事を聞かれてしまった。そのかわり片倉さんのわたしに対する不信感はつのる一方だったけど。

「それで、未来では俺たちは本に載るほど有名になっているのか」
「はあ、まあ、そうですね」
「その、なんだ、てれび…とかいう物体にも出たり」
「特集とかでは、してますかね」
「Ha!すげえな!なあ、小十郎」
「…では、なまえ殿は、戦国の世の終末を知っていらっしゃるのですね?」
「え…」
「…小十郎、」
「私共がどうなったのか、政宗様が天下を取られたのか」
「それは、」
「教えられないのですか、それともやはり未来からというのは」

「…小十郎っ!」

怪しい、といいかけた片倉さんに伊達さんがすごい剣幕で怒鳴った。部屋中に、いや屋敷中に響いたんじゃないかってくらい大きかった。

「…俺はそんな事がききたいんじゃねえよ。」
「しかしっ、政宗様!」
「もう未来では決まったことなんだぜ?今さら聞いても意味ねえよ、」
「…」
「確かに、なまえの話を聞けばどうなるかは分かる。誰が死んで…誰が天下をとるか。だかな、今重要なのはそれじゃねえだろ」
「伊達、さん」
「こいつの心配だ」

そういって今まで出会ってきた人のなかで一番暖かい笑顔をむけてくれた。頭に置かれた手がすごく優しくてなんだか涙がでそうになってしまったけど。

「よし、今日はpartyだ!早速用意させろ!」
「…は、」

そう言って片倉さんは渋々、部屋から出ていって廊下の奥に消えていった。残されたわたしと伊達さんは何も言葉を発しないまま、ただただ座っている。

「Hey、なまえ」
「あっ、はい」
「お前…舞が出来るんだったな」
「ああ…はい」
「よし、partyのmainはお前で決まりだ」
「はい…はいっ!?」
「いいだろ、そのくらい。OK?」
「いっ、いやです!いやです!あれはちょっとノリっていうか、とにかく無理ですよ」


「奥州から追い出されたく、ないだろ?」

ニッコリ笑顔の伊達さん。さっきとは全く違う笑顔でなんていっても氷つきそうな笑みはまたもや今まで出会ってきた人の中で一番だったと思う。

「…断れねえよな?」
「…はい、」

今ぐるぐる回ってるのは、追い出されたくないって、気持ちだけ。



差し伸べられた暖かい恐怖





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やっと会話が続きましたね←
次は主人公ちゃん舞います!

090720 エコ