「行かなきゃならない所がある」
そう言ってハリーたちと別れた。行かなきゃならないところ、それは遠い昔に別れた恋人。今はどんな格好をしてる?今、どんな気持ちでいる?…俺のこと、軽蔑した?
アズカバンでの生活はひどいものだった。そんな中、俺の希望はリコだけだった。ジェームズとリリーが死んだこの世界にあいつは一人で耐えているのか。そう考えると、早くリコに会いたくて仕方なかった。
「リコ…」
そう何回呟いたか分からない名前を呟いたとき、何度も見たはずなのに懐かしく思うリコの家が見えてきた。その時、あれだけ会いたかったリコに会うのがすごく怖くなった。今、リコに突き放されたら、俺はどうしたらいい?
そんなことを考えている間にもうドアの前についていた。手が震える。ただ一回、ドアを叩くだけなのに。
「っシリウス!」
戸惑っている間にいきなりドアが開いた。胸のあたりに暖かい感触。背中に回された小さな手。
リコは、やっぱり変わってなかった。
「リコ…っ」
涙を流すしかできなかった。会ったら言いたい事がいっぱいあったのに。そんなことができないほど、君が懐かしかった。
「絶対、シリウスだと、思ったの…絶対、帰ってくるって」
「…信じて、くれてたのか?」
当たり前じゃない、と涙を流しながらリコはいった。…変わってない。確かに、あの頃より綺麗になって髪も伸びた。けど、俺を見つめる目も気持ちも変わってない。
「お前に、ずっと会いたかった」
「うん、」
「ジェームズやリリーが…あんな事になって、お前が心配だった」
「…うん」
「…まだ、お前が、好きだ」
「…私も、まだ、あなたが好きみたい」
今までのぶん、何回君の名前を囁けば足りる?何回君にキスをすれば、足りる?何回、君を抱き締めれば、足りるだろうか?
これからは、愛しい君と生きていく。あいつらのぶんまで、生きていこう。お前の笑顔のために、俺は全てを捧げる。そう決意したら、君が優しく、笑ってくれた。
ラストシーンは君と‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
二万打リクエスト!
蝶子さま*
リクエストありがとうございました。
大人シリウスを書くのは慣れていなかったのですが、ど、どうでしょうか!かなり、怪しい、ですが…気に入っていただけると幸せです。
ではこれからもbe stuck onをよろしくお願いいたします。
エコ