純情な、きもち


「おーい、伊達さん!」
「Ah?何してんだ、そんなとこで」


政務が終わって自室に戻ろうと廊下を歩いていると、なぜか名前が庭のど真ん中でこちらに向かって手を振っている。…何してんだよ、あいつ


「伊達さん!」
「…だからどしたんだよ、」
「伊達!」
「Ah?なに呼び捨てにしてんだ!阿呆」
「伊達っち、伊達ちゃん」
「おうおう、総無視か」
「政宗さま、政宗っち、政ちゃん…」
「…もう部屋にいくぞ、」


なんなんだ、こいつは。最初から理解しがたい所がたくさんあって、いきなり未来から来たとか言うし、なんだか異常に舞が上手かったり、けど、どこか抜けていて…。でもこれ以上構っていられねえな。そう思いまだ何かを考えている名前をちらりと見て自室に戻ろうとした。


「政宗」


そう、小さな声で呟いた声はなぜだか離れている廊下の俺のところまで確かに届いた。政宗、そう確かに名前に呼ばれた。その瞬間、歩みだそうとしていた足が止まった。


「政宗、政宗…良い名前ですよね」


なぜか太陽のような笑顔をして話しかけてくる名前に近づきたくて、履き物も履かないまま庭に降りて名前の目の前までいった。いつもなら絶対にしない行為だったが、今は名前に近づきたかった。


「もう一回、呼んでみろ」
「え…怒ってます?」
「つべこべ言わず、呼べ」
「…政、宗?」
「なんだ、」
「…私、この名前、大好きです」
「ああ、俺もだ」
「はい、良かったです」
「…俺は、名前の名前も好きだぜ?」
「…はい、良かったです」



そのまま名前の頭に手をおいて髪がぐちゃぐちゃになるまで撫でてやった。そして、その時の名前の照れくさそうで、でもなんだか幸せそうな顔は絶対に忘れるとこは出来ないだろう。



「伊達さんの横が、やっぱり一番安心しますね」
「結局、伊達さんかよ」
「嬉しくないんですか?」
「ばか、嬉しいに決まってんだろ」
「今日…ツンデレですね」


ツンデレという言葉は何を指しているか分からなかったけど、名前が笑顔だったから、まあ、良しとしとこうと思う。







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二万打企画リク作品!
鈴さまへ*

スタンドバイミー!
番外編ですっ、

おきに召していただけるとしあわせですー
リクありがとうございました!