目覚めて君
おはようございます。名前です。一応奥州の筆頭である伊達政宗さまに仕える女中です。…いっつも鈍くさいって言われるけど。だって、いっつもいっつもいーっつも政宗さまがおどかすから…、はっ!いけない!こんなことしてる場合じゃなかったのです!
勢いよく部屋の襖を開けて(小十郎さまにはよくはしたないって怒られるけど)真ん中にひかれた真っ白な布をこれまた勢いよくひっぺがす。すると出てきたのは紛れもない、まあ言わば私が仕えている、伊達政宗さま。え?女中がこんなことしていいのかって?…だって起きないんだもん。そりゃ最初は気を遣って声を何回もかけるとか、揺さぶるとかしてみたけど…
「Hey、名前。なに独り言ってんだ」
ふと我に返ってみるとそこにはちょっと寝癖がついてる政宗さま。着ている着物もなんか色気むんむんであの、誰誘ってるんですか?って感じだった。いや…うん、まあ毎日なんだけど。なんともまあ、端正な顔立ちなわけで。ああ、こんな人に仕えられて名前は世界一の幸せ者です。
「…名前、ついに壊れたか」
「ついにってなんですか、ついにって!名前はいたって正常でございます」
ふーんだ、いつもそうやって人をバカにしてきて。やっぱさっきの幸せ者発言は撤回しようかな。けどやっぱり政宗さまは素敵なわけで。どうしても嫌いになれないから、
「政宗さま…今日もおはようございます!」
「おう、Good morning」
この言葉を聞きたくていつも挨拶しちゃうんだよなあ。名前にはよく分からない南蛮語だけれど何回も交わしたこの会話だけは分かる。毎日毎日、政宗さまに挨拶をする。意味はわざわざ聞かないけど、たぶんおはようって意味なんだろうな。
「あー、腹減ったぜ。名前、さっさと飯食いに行くぞ!」
「はい、政宗さま。」
毎日毎日、同じ時間を共有して同じ笑顔を見せてくれる。それだけでただ名前は幸せなのです。できれば、ほんのちょこっとだけでも政宗さまもそう感じていてくれると嬉しいな。
目覚めて君
(朝起きたとき)(いつも見るのは)(君がいい、)
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初BSRゆめ
精進します…
080622 エコ