幸せになる日まで


※ヒロインは武田家の姫さま!
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「幸村は、その、いつかは結婚するんだよね」


縁側でいつものようにお茶を飲みながらぽかぽか陽気の中でちょっと意地悪な質問をしてみた。案の定、幸村は顔を真っ赤にして食べていたお団子をじっと見つめていたけど。着ている鎧も真っ赤だから一緒でなんだかおもしろくなってしまった。



「それならばっ!姫だって、いつかはどこかの殿方のところへ…いかれるのであろう…?」



最後の方は声が小さくなっていく幸村がまた可愛くてさっきに増しておもしろくなってきた。笑うなんてひどいでござる、なんてちょっと怒ってるけど、



「寂しいじゃない、幸村がいないなんて。そんな生活考えられないよ」



そう言うとまた真っ赤になって、破廉恥でござる!なんていうかな?とか思ったけど、いつになく真剣な顔をするからびっくりしてしまった。



「…某は、小さいころから姫のことを見てきたでござる。今さら、姫がいない生活など…想像しただけで、苦しくなるのだ」


「ゆき、むら」


「もう少し、嫁に行くのは待ってはもらえぬだろうか…?某が、姫を、一人でも守れるようになる日まで」


いつもは恥ずかしがって絶対に触らない手をぎゅっ、と握って茶色い綺麗な目で私を見つめてくる。



「…あと少ししか、待たないからね」


「っ、分かったでござる!」








(強くなるって、もしかして)(お館様を越えるまででござる!)(…おばあちゃんになっちゃうよ)





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拍手ゆめ!

ひたすらおバカな幸村くん、どんまいです


090705 エコ