ペとり。既に何度と体を重ねているにも関わらず未だに慣れないのか、これから本番だという時決まって恥ずかしそうに足を閉じようとするこいつ。
その白い太股に付着していた欲に触れた指が、自分が指を離したと意識をしてから一瞬遅れて離れた。
「何こんなとこまで濡らしてんだよ」
そんなに激しくした覚えはなかったなと確信犯な、いやらしい笑みを口元に浮かべて喉奥から響くような声を出すシカマルの方が余程いやらしいと思う。
濡らす、って口にしないで、と視線を合わせていられなくなったわたしがふいっと機嫌を損ねたふりをしてそう吐き出すとシカマルはまたいやらしく
「今更」
とわたしを追い詰める。口で対抗するにもこの状況では限度があって、無言で居ると途端、つつつ、と太股の内側をシカマルの指が撫でてきた。
「ん、っ」
結んでいた唇が隙間を作って、漏れた吐息混じりの自分の声にカアっと顔が熱くなるよう。
「お前はそうやって素直に反応してればいんだよ。後は俺がよくしてやるから」「ふ、ゃっ」「嫌じゃないだろ。こういう時なんて言うんだ?」
太股の内側を這いまわるシカマルの手に体をくねらせてしかその快感を逃がすことの出来ないわたしが、必死に閉じていた足をシカマルは容易く開く。下着も何も纏わぬ状態で足を開かれたことにどうしようもない羞恥心が込み上げて現実に目を逸らしたくなると同時にわたしの目尻からは一筋生理的な涙が零れる。

「足開いただけで泣くなっての」「だ、って」「んなの煽るだけだっての」

ぎゅっと目を閉じたわたしの耳にそう言うシカマルの声が届いて直ぐ、さっきまで散々慣らされた男性を受け入れるそこに熱いものが宛がわれる。2、3と入り口を熱いものが撫でて躊躇い無しにズズっと入ってきたシカマルに肺の中の空気が押し出されて、下腹部に圧迫感が押し寄せる。
同時に背筋がぞくぞくっとして、わたしの意志とは別の所で背中が反る。
「きっつ、」「あ、あ、んん…っ」
シカマルがピストン運動をする度に増して押し寄せてくる快感に体の中を不安が駆け巡って、薄っすら目を開けると、わたしの上に覆いかぶさって髪を乱し眉間に皺を寄せながら腰を振るシカマルが映って、心臓が苦しくなる。
自分の子宮からじわりと何かが滲んだののを感じてしまって、それが自分の欲望なんだと思うと居たたまれなくなる。
「こっち見ろ」「っ…はあぁ、ん」
行為に不似合いなシカマルのひやりとした手がわたしの腰を掴む。ズズっというピストン運動はぴたりと止まり、わたしの手を掴んだシカマルはぐいっとわたしを引き寄せ、上体を起こさせて抱き合うような形になる。重力も相俟ってズズズっと容赦なくわたしの奥を突きたてるシカマルにしがみ付きながらわたしはシカマルの背中に爪を立てた。
「あぁ、っ」


20130227
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