「あ」
わたしの体を支えるようにと、わたし足の間に座らせていたサイの手が後ろから乳房へと伸びてきた。
既に皺の寄っているシャツの上から触れてくる手は本当にサイなのかと思うほどに拙くて、その拙さに逆にどきどきと心臓が高鳴る。
「あ、そこ擽った、」
耳の裏に口付けを落とされ思わず身をよじると、ぐいっと体をサイの方に向けられた。
「サイ…?」
「なに」
普段さらりとしている彼の髪が額に張り付いていた。
「ううん。なんでも…あ、ん!」
シャツとブラジャーを強引にたくしあげられる。サイの手が体に触れると、その冷たさと肌が撫で付けられる感覚にビクリと肩があがる。
「サ」
乳房の下に手を添えられ、そこを舌がねとりと這った。
その感覚は喘ぎ声にも出来なくて、肺に溜まった息が熱い吐息になって吐き出された。
閉じてしまいそうになる目でサイを見ていると、彼の薄い唇が、わたしの乳首をツゥっと舐めた。

衝撃が走る。
「あ、サイっ」
「もっと聞かせて」
声が耳に届いてすぐ、わたしは思わず目を瞑った。
「あっ、あっ、サっ、」
温かい口内に乳首を含まれ舌先で転がされると背筋がゾクゾクっと快感の波を立てる。



気だるい意識の中目を開けると、向かい合ったサイはわたしに布団をかけながら、ベッドの端に腰を掛けた。
「下手くそで、ごめん」
「最後は翻弄されっぱなしでしたよ」
「最初は、ちょっと緊張してたからかな」
「暗部だから慣れてるかと思ってたけど違うの?」

「…どうも気持ちがあると違うみたいだ」

青 20130220
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