強い日差し。
若干水分の含んだ空気の中を歩いたせいなのかムシムシと気持ちの悪い感覚を流してしまいたくて早めにお風呂に入った。
髪を乾かし終えると直ぐにばふんと、自室のベッドに体を沈めた。

そんな、心地のいい時間だった、カカシからの電話が来たのは。

体の下にいつの間にか入ってしまっていたらしい携帯が着信を知らせブルブルと体の下で振動していた。
それをもそもそと、眠気に誘われそうだった私が体の下から取り出して取ると、懐かしいカカシの声がした。

お風呂上り、何も考えずにただ体を横たえるためだけに部屋に来た私の部屋は今、外灯の点く時間帯のせいもあって真っ暗。そんな中で唯一煌々と光る携帯のディスプレイは眩しくて、私は画面を目を細めたまま見た。
けれど暗闇になれてしまった目は表示されている名前を認識できず、私は誰からの着信だともわからないままに出た。

もしもし、俺だけど

気だるそうに話すくせに実はすごくいい声で、喉が振動を起こして私の耳に届くこの心地のいい声は、紛れも無く私が一番惹かれているあいつ、二軒隣の家に住んでいる幼馴染のカカシからだった。

「もしもし、私ですけど」


確かに恋だった 20130202