「ううう」
部屋の隅。二人がけの白いソファの上で膝を抱える名前。なんで泣いてんの?何がそんな悲しいんだよ。膝に顔を埋めている名前の目の前に立つ。でも名前は全然顔を上げない。
オイラは、そんな泣いている名前を見るのが嫌でしゃがんだ。やわらかい髪の上に手を乗せる。
「名前」
泣くなよ。うん。そんな泣かれるとオイラが困るだろ。

「うう、デイダラぁ…っ」
「なんだ?」

「なんで っ、死んじゃったのよぉ」

ぼくのことなんか忘れてきみはしあわせにならなきゃいけないんだよ

ほんとはオイラがしあわせにしてやりたかったけど、なぁ。
透けた手が宙でさ迷った。


にやり 20121209