色付いた唇の隙間から吐き出された紫煙が天井へと上り消えていくのを見てから紫煙を吐き出した彼を見る。
「なんだよ?」
視線が長いこと俺に注がれ、痺れを切らして聞いてみる。名前は肘をついて無表情に俺を見て唇を開いた。
「シカマルは煙草、似合うなぁって」
似合うようになったとも言う。
「そんなことないだろ」
そう言われるのは妙な感覚で、まだ半分以上長さのあった煙草を灰皿に押し付けた。
「…煙草っていうか消えゆく煙が、幻想的に見える」
「…お前、眠いだろ」
「眠い」
「寝ろ」
怪訝そうな顔した名前は腰を掛けていた向かいのソファから立ち上がり俺の隣に腰を掛け、俺の肩に頭を乗せた。
「おやすみ」


20120902