「痛っ」
医療忍者が足首に手を当てると名前の声が小さく部屋に響いた。
「名前「大丈夫だから」「…」
「大丈夫」

俺の言わんとしている事に気づいた名前はそれ以上何も言うなと言う様に俺の言葉を遮り強い目を向けてきた。
何が大丈夫なのかよくわからない。
軽い怪我らしく対処は直ぐ終えられた。それでも抑えている足首には薄い痣が残ってる。それも今回だけじゃない。半年ほど前から何度もだ。数え切れないほどに積み重なっている。今回は普段見えないところだったからまだよかったが(本当は良くない)、頬に痣が出来ていたこともあった。痺れを切らした俺が尋ねてみれば痣が出来る理由は我愛羅。
「我愛羅は、嫌なことが重なって辛いだけなの」「だからってそれを名前にぶつけて言い分けないじゃん」「そう、だね」
今までも何度か里の中で問題を起こしてる我愛羅には兄である俺も手を焼いている。暴力で済んだ事が奇跡のようにも思う。あんなのに太刀打ちできる力は、俺にはない。だからといってこのままで良いわけはない。これ以上名前の体に痣が出来るのを黙ってみていることは出来ない。本音を言うなら

「俺が言う」「え、?」

「もう名前に暴力はすんなって」「そんなの言っ「だから俺が言うしかないじゃん」

「それは駄目。駄目。 ごめんっ、嬉しいよ、ありがとう。カンクロウは優しいから私の代わりにそういう表情をしてくれるんだよね、我愛羅のことも大切だから、怒ってくれるんだよね。凄く、嬉しい。でもね、でも駄目。 私、我愛羅のことがすきなの」

こっちが痛々しくなる笑顔を浮かべてそう言う名前に俺も、名前のことが すきだ。なんて言えるわけも無い。俺はすきだと呟いてしまいそうな唇を噛み締め、言葉を飲み込んだ。










「…わかった。ただ辛くなった時は、そん時は真っ先に俺に言え」「…ありがとう」


cathy
20110303