俺はひとがすきだ。
いつだったか、ナルトがそんな話を切り出してきたことがあった。それを聞いて私はナルトの意図していることがわからなくて、「うん…」と曖昧な返事をした。

何故だかそんなよくわからない夢を見た私は思い出したように布団から出て直ぐにナルトに聞こうと押しかけた。ねぇ、覚えてる?って。
まだ布団の中に居たらしいナルトはドアを開けながら「なんだってばよ、こんな時間に」と目を擦っている。
自来也さまとの修行から帰ってきたナルトはそれ以前私より低かった背が大分伸びて、私より頭ひとつ分大きくなってかっこよくなったと思っていたけど、こういうところはやはりかわいいと思う。

相変わらず汚い部屋に私を通し、牛乳をごくごくとパックで飲んだナルトは目が覚めたらしく「どうしていきなりんなの聞いてくるんだってばよ」と聞き返してきたから私はあのときのナルトにそれを聞きたいのって言った。
するとナルトは簡単に、私が欲しがっていたであろう答えをくれた。
「あれは、直ぐ答えがわかったから続きは言わなかったんだ」「答え、」「長い時間いる奴の方がやっぱ親しいよな」「うん」

「でもって自分を好いてくれると余計に親しくなる」「うん」「じゃあ、名前だけ特別なのはなんでだって思った」「…」「すきじゃなくなったとかじゃなくてなんとなくな」「うん、」

「けど、結局俺だし答えは単純だったんだってば」「どんな、答え?」

「名前だから」

どこがすきじゃなくて全部なんだよな。多分名前が俺を嫌いになっても俺は嫌いになってやんねぇ。な、簡単だろ?


20110219
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