ついさっきまで沈みかけていた夕日が今は影もなく辺りの暗さに滲んでいる。そんな中、俺はというとナルトの野郎が先日返されたテストで赤点を取ったとかで補習に借り出されているのを待たされていた。本来俺は縁の無い補修などに付き合ってやる義理は無かったが、名前が待っているとか言い出したせいで待つ羽目になった。

「未だか」「さっきそれ聞いてから30分も経ってないよ」「始めたのは4時過ぎなんだ。7時まで待っている俺の身にもなれ」「私も待ってるからそれはわかるけど。嫌なら先に帰ったらいいじゃない」「な、お前は誰の彼女だと思っている」「じゃあもう少し位付き合ってよ」

もう少しすればきっとナルトの補習も終わるよ。そう笑顔で返されれば何も言えなくなる。大体こいつは気がつくとナルトのことをやたらと気にしている。ナルトがこいつをすきだというのは先ず無いだろうし(あいつはサクラに惚れているからな)、こいつは仮にも俺の女だからナルトがこいつをすきになるという心配はしていないが気に食わない。というよりこいつはなんでいちいちナルトの野郎のことを気にする。考えるだけで苛々する。くそ、あのウスラトンカチめ。
「…何眉間に皺寄せてんの」
「関係ないだろ」
「…へぇ、彼女の私には関係ないんだ?じゃあ誰になら関係あるのかなぁ〜?」

うぜぇ。なんなんだこいつは。大体関係ない奴の我儘で俺がいつ終わるかもわからない補習を待ってやるわけがないだろう。それに俺が今苛ついてんのは誰が原因だと思っていやがる。

「くそったれ、…嘘だよ」
罰が悪くなったようにそう言ってそっぽ向いたサスケにやりすぎたかな、内心溜息を吐いた。ナルトを待つ口実で直ぐに帰宅してしまいがちなサスケを拘束するのもそろそろ限界そうだ。そう思ってサスケの肩に頭を乗せれば強引に肩を抱かれた。


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うきわ 20110305
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