裁く
興平はゆったりと紡ぐ。
「告発システムのルール適用には条件がある。『もし世間体を気にして以下の行動に移るならば』だ」
「裏切者」に抱かれていた女の震えが止まる。
「裏切者」の表情が強張った。
「お前の裏切りは俺らに対するものじゃない。そんなの、大したことではない。お前の裏切りは」
「私を愛さなかったこと」
女がぽつりと呟いた。
「この通報、私がしたの」
そして女は嬉しそうに笑う。
「裏切者」は悲鳴を上げた。
***
「今回もありがとー」
通報した女、もとい晴香は明るく笑う。
興平と隆平は呆れ顔だ。