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「……しつこいぞ」
「真司。見てて。俺、幸せになるから」
「ああ。信じてる」
 優しい声だった。
 自らの胸に手を当て、恭介は思う。
 彼をこんなに中途半端な男にしてしまったのは自分のせいだ。
 自惚れだと人は嗤うだろう。
 何を当たり前のことを、と人は貶すだろう。
 だけど他人の評価なんてどうでもいい。
 罪の意識に縛られている間は、痛みを感じる分だけまだましだった。
 この罪を償うために生きてていいのだと、生きなければならないのだと、思うから。


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