本気であなたに恋をする | ナノ

04.毒林檎は籠の中

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 憎みたくないのに。
「おとーさん」
 ああ、ひとりではなかった。
「どうした、朝陽?」
 玄関の扉の閉まった音で、朝陽が目を覚ましてしまった。
 屈みこんで目線を合わせると朝陽はにっこりと笑う。
「朝陽。俺は、ここにいる」
 嬉しそうに両腕を振りまわす朝陽を腕に抱く。
 最初で、そしてきっと最後の本気の恋を犠牲にしてまで、この子を選んだ。
 悔いはあるけれど。
「朝陽」
 この子の命がある限り、俺は悠太を忘れない。



おわり


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