告白
信じなくていい。
私はきみが好きだったのです。
友人としての親愛だなんて言葉では誤魔化せないほどに、きみを愛していました。
きみは男。
私も男。
何も言い逃れはしません。
きみの言葉を借りるならば「変態」です、ええ。否定しません。
ずっとずっとずっと、愛していました。
そして、その日々がずっと続いていくと思ったのです。
きみを愛していた。
本当に。
私の空想の中で幾度となくきみを抱き、きみに抱かれた。
ひとつになれるなら、どちらでもよかった。
私の空想の中で、きみは私だけを見ていた。
だけど、あるとき気づいたのです。
私は、私だけを見るきみが好きなのではない。
多くの人に愛され、そしてその他大勢の中にこの私を含めてしまうきみが好きだったのです。
私だけを見つめるきみは理想ではあるけれど、もし現実にきみが私だけを見ないとしたら、それはきっとつまらないことなのでしょう。
そう気づいたとき、私はやっと、笑えました。
きみに愛されたくて、きみだけに認められたくて足掻いていた。
だけどね、とっくに気づいていたんです、心のどこかでは。
私がきみを愛したのは、多くの人に愛されているきみが一瞬だけでもこの私を見てくれたから。
私、知っています。
この私が、実際には私自身が想っているよりも多くの人に受け入れていただいていることを。
でもね、きみが、きみが認めないと意味がないと思っていた。
きみが私を認める。
すなわち、きみが私を愛するということ。
愛されたかった。
誰からも愛されるきみは、誰をも愛する。
そんなきみの特別になりたくて、私は、愛されたくて。
「知ってるよ、ショウちゃん」
苦笑交じりな甘い声に、ショウは振り返ることができない。
ショウの愛する人はなおも続ける。
「きみはずっと、僕を愛してくれたね」
愛する人はショウの前に回り込み、かがんで視線を合わせてきた。
「だけどいくつか間違いがあるよ、ショウちゃん」