Rest In Peaceメモ
鋭い眼光に幼馴染の面影を見出し、志岐は思わず溜息を吐いた。
なぜ、これほどまでに焦がれたのか。
あの死の瞬間まで、いや死してもなお、志岐は秀が諦められなかった。
「あ、樹くん……」
居間の異様な雰囲気を感じ取ったのか、志岐の息子、大和が自室から顔を出し、固まる。
自分より幼い幼馴染が父を亡くすということを、大和は未だ受け入れられずにいることを志岐は知っていた。
樹は大和を見て微笑んだが、大和はすぐに踵を返してしまった。
「すみませんね、躾のなっていない子で」
「いいえ」
志岐の溜息にも、樹は礼儀正しく返す。
そしてそのまま、踏ん切りがついたかのように樹は口を開いた。
「志岐おじさま。父から伝言を預かっています」