Next to you.
母に呼ばれ、階下に向かう。
「体重絞ったら、練習来ていいって、大島先生が」
「そんなに太ったの?」
「……訊かないで」
「ご飯、半分にする?」
「やめてください」
にこにこしながら言う母はどこまで本気かわからない。
空腹が満たされると、悲壮感が薄らいでいく気がした。
「ごちそうさま」
部屋に戻り、冬休みの宿題を片付ける。
いつもなら、休み初日に終えている。だから、母に疑われることはない。そのことが志岐を余計に焦らせていた。
「しーくん、ご飯おいしくない?」
「え?」
「ダイエットメニューに変えようか」
「いやいいです。ご飯は、おいしいよ」