In front of you.
「はーい」
返事をして、ふと思いつく。
「先生、最近、胃が痛いんです。ストレスでしょうか」
「どうしたの?」
「幼馴染といるときだけ、胃が痛いんです」
「……胸じゃなくて? それ、恋っていうんだけど。知ってる?」
「先生、俺、真面目な話をしてるんです。それに幼馴染は男です」
「へえ、つまらない。じゃあ、恋じゃないね」
「当たり前です」
ぞっとしすぎて、鳥肌が立った。それと同時に、胃ではないどこかが一瞬、強張った。
「じゃあ、教えてよ」
「さっき、俺をつれてきたやつ、いたでしょう。あれに振り回され続けて、もう、このままじゃ禿げるか胃潰瘍になるかの選択を迫られています」