In front of you.
秀の頬が、これ以上はないというほど不快そうに歪み、志岐を睨みつけたが、志岐も黙ってはいられない。
「なんでそこで俺が出てくるの」
「佐田と話してたじゃないか、汚らわしい」
「佐田は汚らわしいけど俺は汚らわしくない!」
「佐田と話すと汚らわしいのかー」
紅葉は放置しよう。
秀は妙に芝居がかった仕草で、嘆かわしいと呟く。
「俺が志岐に構わないせいで、純粋な他者が志岐なんかの毒牙に掛かるのは忍びないから、クリスマスの予定を空けてやると言ってるんだ。もっとありがたがれ」
「恩着せがましいし、頼んでないし」
「じゃあ、今年はミサに行くのをやめて、パーティを繰り上げよう」
「じゃあ、紅葉と秀でやればいいでしょう。俺はミサに行きたいの!」