四季の都 | ナノ

籠の鳥と言いますが

しおり一覧

「俺ひとりと引き換えにして。――馬鹿だよきみは」
 真桜が声を掛けると、賢志は微かに頷いた。
「そう、俺もそう思う。だけど、俺はお前がひとりが欲しかった」
 悪い魔王を、勇者が退治する。
 世界は平穏を取り戻しました。
 めでたしめでたし。
 そこで終われば、誰も疑うはずのなかったハッピーエンド。
「新しい世界を、俺は創る」
 賢志の声に、真桜は自身の両手を握りしめた。



*前次#
backMainTop
しおりを挟む
[11/11]

- ナノ -