Opening
ここは剣と魔法の世界。
城下町に貧乏な剣士が住んでいました。
本当は魔術師だったのですが、賢志と名乗るたびに剣士と間違われるのが面倒になり、剣士に転職したのです。
剣士となった賢志でしたが、この情勢では魔術師の方が儲かるということを身に沁みて感じていました。
王女が魔王の城に囚われ、王から王女を救出するという依頼が依頼屋に出されたのです。
城下にはにわか剣士が溢れ、普段なら本当の剣士が引き受ける依頼もにわか剣士が攫っていってしまいます。
傍から見れば賢志だってにわか剣士には違いないのですが、本人は正当な理由があるので例外だと思っています。
とりあえず食っていければいいか、と悠長に構えていた賢志でしたが、魔術師時代に貯めたお金もそろそろ底を突きそうです。
王女救出の依頼を引き受けるには3名以上のパーティを組む必要があったので、幼馴染のふたりの名前を勝手に登録しました。
そして、剣士の賢志、魔術師の珠里、弓使いの杜今の旅は今、始まるのです。