四季の都 | ナノ

Nice to meet you.

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「あんたもあんただ。なんで俺が男だと知っていて連れてきた」
「別に、夜伽は男でも構わない」
「……え?」
 更に蒼褪める少年を敢えていやらしく眺めまわし、しばしの間、沈黙を守る。
「あ、あの、それ、どういう意味」
「そのままの意味だ。子を為すのは別の女を捕まえればいい」
 沈黙に耐えきれなかったのは少年で、四葉は簡潔に答えると再び寝台に腰かけた。少年が反射的に距離を置く。
「で、きみはどうする。私を殺すのは無理だぞ。今も扉の向こうで護衛が殺気を放っているのが感じられないきみならばね」
 ひ、と喉の奥で少年の悲鳴が掻き消える。
 さて、どうしたものか。
 このまま返すのもつまらない。
 なにしろ、こんなに馬鹿にされるのも久し振りだ。
 使い物にならなくして、どこかで好事家に売り飛ばそう。
「ねえ、きみ」
 四葉は警戒心を解くのにうってつけの笑みを浮かべる。
「名前は、なんというのかな」
「……耕造」
「玲菜の親戚?」
「玲菜は俺の妹だ」
 さて、兄弟なんていただろうか。彼女しか見ていなかったから、他はどうでもよくて記憶していない。
 きっと再び四葉を睨む耕造は、残念ながら勇ましいとは程遠い。
 せいぜい、この私を楽しませておくれ。



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