図書室の主 | ナノ

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 いつ、なんでばれた。

 しかも、気づいていたのなら放っておいてくれたらいいのにまったくもって彼らしくない。

 ――自分の気持ちを弄ばれた。からかわれた。最悪だ。

 悠太の食べかけが残るリビング。
 後片付けをする気になれなくて暁はソファで丸くなった。

 頭に血が昇って、恐らく悠太が自分に対して思ったに違いない言葉を吐いた。

 悠太の怯えた顔を見て、ざまあみろと思った。

 中途半端な気持ちでからかうからだ。

 最初はそう思っていたが、頭が冷えてくるにつれて言いようのない悔いが押し寄せてきた。

 からかわれたにしろ、なんにしろ、どうせばれてたのなら自分の口から言えばよかった。


「好きだよ、悠太。愛してる……」


 膝を抱えて呟く愛の言葉は言い訳のようで情けなかった。


おわり。



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