後輩×先輩
亮介の部屋で。
「じゃ、帰るね」
「……先輩」
無視して寛樹は出ていく。
「先輩、待って、先輩っ」
「……」
「ヒロ! 待って!」
振り返った寛樹は人の悪い笑みを浮かべていた。
こんなべたな展開も好きです。名前呼び好きです。
雨天のため撮影中止となった公園で。モデルたちがわらわらといる。
カメラマン寛樹はカメラの手入れに夢中でモデル亮介はそっと近づき声をかける。
「あの、俺を」
「あー、無理。俺、君は撮れない」
「なんで」
「なんでって言われてもなあ……」
「1枚でいいですから」
「嫌。俺、好きな人しか取らない主義だし」
周りが固唾を飲んで見守る中、あっさり振られた亮介。
おまけ↓
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帰宅後。
「みんなの前であんなに言う必要ないじゃないか」
「はっきりさせておくって言ったのは亮だよ」
「でも」
「そういやえらい必死だったねえ、亮? もしかして本当に俺に撮ってほしかったの? 天才モデルのリョウさん?」
「ヒロ」
「俺にカメラの前に立つなと言ったのは亮だ。だから亮も自業自得」
壁際に追い詰められ、首を絞める手に力が入っても、不敵な表情は崩さない寛樹です。