図書室の主 | ナノ

番外編

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「俺のこと、好きなくせに」
自信たっぷりに笑う岸本に背を向けた。



樋山は頬杖をつき、にやりと口元を歪める。
「で、秋一。君は俺に何を望む」
幼馴染至上主義な樋山たちには、何を言っても通じないから。
「緒方を貸せ」
余程意外だったのだろう。



「瑞樹」
心の内で呼び続けていた。



「あー…。あれ、弟。一個下。柚葉っていうの」
「二人兄弟？」
「いや、十歳下に妹がいる。梓紗。かわいいよ」


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