Memo | ナノ


12/17(Tue):備忘録ログ

12/06(Thu):備忘録

図書室の面々。
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「なあ、樋山」
 ふと、彼が本から顔を上げて樋山を呼ぶ。

 読んでいるうちに体がずり落ちてしまったため、太ももの上に本を置き両手を使って彼は体勢を立て直していた。背もたれである小説の棚は相変わらずびくともしない。
「ん?」

「好きだって言ったっけ?」
「……誰に?」
「樋山に」

 聞き間違い。もしくは、とんでもなく樋山にとって笑えないオチがつく。
 そう自身に言い聞かせるのは彼との付き合いの中で予防線を張らなくてはやっていけないからだ。目的語は、何だ。
「何を?」

「お前を」
 聞き間違いではなかったらしい。忙しなく動き始めた脳が沸騰しそうで、樋山はこめかみを押さえる。
「誰が?」

「俺が」
「ごめん、緒方。誰が誰にどうしたって?」
「俺がお前にお前を好きだって言ったっけ?」

 これは。
 ――期待しても、いいのだろうか。
「……いや」

 なのに彼は嘆息をひとつ。
「そうか」
 何事か考え込んでしまった未来の恋人。
 樋山は心中穏やかでない。

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緒方くん、ずるいです。






12/04(Tue):備忘録

冬の朝のひとこま
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葵くん、と控え目に彼が葵を呼ぶ。
振り返ると差し出されたのはマフラー。
「今日は冷えるから」
柔らかい微笑に胃の奥が痛む。
自身に動揺して、マフラーをひったくる。
あなたが俺のものだったらいいのに、なんて。
彼の心はずっとあいつに捧げられていることを知っているはずなのに。






12/03(Mon):備忘録

愛された記憶
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「愛は滅びない」
聖書を片手に緒方が言った。皮肉っぽい言い方と裏腹に寂しそうに笑う。
「お前が愛してるのは俺だろう」
自信に満ちた台詞は幾度となく聞いた。
「俺は、君を」
裏切るんだね。喉の奥に言葉が詰まる。
彼は曖昧に首を振った。
ふたりきりでいられるのも今日が最後。しばらくは口をきくことすら適わない。
リコールまで、あと18時間。
メールもしない、それがけじめだから。

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図書室。





12/01(Sat):備忘録

旧館で図書室を読んでくださる方、ありがとうございます。
追記が恩で仇を返すようで申し訳ないです。
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「お前、俺以外を愛したことは?」
「あるよ、もちろん」
事も無げに言うあいつに腹が立ち、しかし手を上げないと誓ったため怒りを堪える。
「真司。俺は後悔しない」
そんな哀しそうに俺を見るな。俺は、幸せ、だから。
「真司」
お前がいて、葵たちがいて、すみれを愛して。
強く抱き締められた。
愛された記憶が、真司を詰る。
「俺はね」
強さを宿した声に真司の背は震える。
この強さが好きだった。潰してしまったのは紛れもなく真司自身ではあるけれど。
「緒方真司を一生、愛しているよ」
歳月は人の心を変える。
異様なほど愛を怖れた少年は成長し、大人になって。
歳月は人の心を変えた。
「きょう、すけ」
掠れた声が自分のものだと思いたくない。
あいつが真司を抱く力が強まる。
ああ、この嘆きをどうすればいい。
確かに愛し、愛されていた。

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旅の終わり、かな。
旅の途中は割れながら最低なので。





11/29(Thu):備忘録

ショウちゃんとミヤ
大学3年くらい。
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 休日、図書館で読書に耽る男がふたり。窓の外は曇天、お陰でガラス貼りの室内は薄暗い。
 向かい合わせのソファに深く腰掛けていた坂部がふと顔を上げたのに気づき、宮下も釣られて顔を上げるが彼の目は宮下を見てはいなかった。
 先程、席を立った少女の背――正確には脚の線を追う坂部の視線。泣きたい。
「坂部。それ以上見たらセクハラだよ」
 極めて紳士的に注意したが坂部はむっと眉間に皺を寄せ、再び手元のハードカバーへ視線を落とす。
 もう、決めた。
「今日こそ、浮気するからね」
「何言ってるんだ」
 周りの閲覧者に聞こえない程度にきっぱり言っても、坂部の瞳は文字列を追ったまま。その声は僅かに呆れを含んでいる。
「お前は俺が好きなんだろう」
 はい、まったくもってその通り。
 思わず緩みそうになる口元を左手で覆い、宮下は大きく溜め息を吐いた。






11/28(Wed):備忘録

真っ暗
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明かりの消えた部屋にふたり。
幸せだった。誰が何と言おうと。
心を潰し、捧げた。満足そうに笑う彼を見て、幸せだった。
たまらなく、彼が好きだった。
みんなに愛されても意味がない。
彼ひとりに愛されたくて、そして今。
僕ひとりに愛されたくて、何もかもを捧げた男がひとり。
足りない。
だってあの子は彼ではない。
泣き疲れたあの子が出て行く。
入れ違いに寄り添ってきたのは、待ち望んだ人。
「純弥くん」
狂気に支配された純弥を哀しそうに見つめる瞳。
ああ、やっと来てくれたんですね。
そう、あなたは寂しがりだから。
人の痛みに鈍感なようで、誰よりも敏感だった。
「先輩」
掠れた声は自分のもの。
ああ、誰にも代えられない。
あなたに愛されたかった。





11/28(Wed):備忘録

先輩と後輩
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 我ながら似合う、と思ったときに呆然としてしまった。
 恥じらいながら彼の前に戻ると、彼は片目を眇めてみせた。
「先輩みたいな大男の女装なんて見られたものではないと思っていましたが」
 くるり、と1周し生意気な後輩は清廉に笑う。
「綺麗です」





11/26(Mon):備忘録

キャッチコピーを考える
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真司
元ヤンキーの生徒会長
図書室の主

恭介
天使さま


瑞樹
寂しがりの苦労性

秋一
理系人間な俺様


腹黒い副会長





11/26(Mon):誕生日

誕生日メモ
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瑞樹:0623
秋一:0929
恭介:0525
真司:0816
暁&真朝:0101
朝陽:1224






11/15(Thu):生徒会メンバー

真司の代とヒサの代
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生徒会長:2-3緒方真司
高校
 副会長:2-3名賀暁
 総務 :2-6倉木良
 総務 :1-5鈴原香丞
中学
 副会長:3-A御厨陸
 総務 :3-C志藤浩太
 総務 :3-C東 博隆
委員長代表:2-6樋山恭介
クラブ長代表:2-6坂井翔

生徒会長:2-3市村健
高校
 副会長:2-3伊豆龍輝
 総務 :2-3瀬高春
 総務 :2-6垣内遼
中学
 副会長:3-A松口久哉
 総務 :3-A野田衛
 総務 :3-A富阪章吾
委員長代表:2-3俵田幸一
クラブ長代表:2-3篠村幹孝




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