馬神弾/バトスピ3期




そう、と白くて綺麗な頬に指を滑らせれば彼女は面白いくらいに反応を見せた。
顔を真っ赤に染め上げながら睨んだとしても、それは俺を更に調子に乗らせると気づいているはずなのに。
無意識とは恐ろしいものだ、なんてな。


「ちょ、離れて!」

「ハ?」


嫌に決まってるだろ、声のトーンを僅かに下げながら耳元で呟けばほら。
今にも泣き出しそうになるから止められないんだ。
決壊するのも時間の問題だろう。
泣かれたら泣かれたできっちり堪能はさせてもらうけど。
バシバシと弱い力で小さな抵抗を示す手を両方とも纏め上げて抱きしめれば今まで必死にしていた抵抗はどこかへ霧散。
させてたまるかって。
性別の違いを充分に感じさせる体の柔らかさはクラクラするほど心地が良くて、ああ今ならクラッキーの気持ちがわかるかもしれない。
俺はあんな見境無しじゃないけどな。


「ねえ弾これ恥ずかしい」

「俺は恥ずかしくないから大丈夫」

「あたしがハズいの!」


無駄な抵抗だからやめなさい。
抱きしめたままソファにもたれ掛かる。
自然と向き合うような形になるわけだからどんな表情しているか一目瞭然。
あ、これかなりいいな。
ギュッと回した腕に力を込めればその体の小ささが浮き彫りになる。
どれだけ俺と違くて、その体で頑張ってきたのか。
それは名前自身にしかわからないこと。
どうしても歯痒い、知ることができないとはこうもやるせないのか。


「バトスピのようには巧くいかない、な」

「なんか、あったの?」


未だ赤い顔で覗き込むようにする行動がイチイチ可愛い。
ダメだこれ閉じ込めてもいいよな?
もちろん俺の部屋にだけど?


「あーもう名前ホントに可愛い」

「え、弾さんどうしたのキャラ違う!」


ボンと音がしそうなくらい顔を真っ赤に染め上げる彼女を見て、これは遂行するべきだなと誰かが俺に囁いた。


言われなくてもしてやるよ。



お嬢さん、まずはお手を拝借いたしましょう



お互いの世界にはお互いしか存在しないことのその素晴らしさ。




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