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手放せたらどんなに楽か
腹部の熱さにカズナは、ギリギリ保っていた意識を手放したい衝動にかられた。
普通の人間ならばこのまま眠ってしまえば死ぬのに、体に宿る力によって死ねない。
だがしっかりと痛みは伴うわけで、こんな痛みを感じ続けねばならないというのは、死ぬよりも酷な拷問のようだった。
「こん、ちか……ら、いら、な」
いらないからお願い、この物理的な痛みからアタシを解放して。
それが逃げだったとしても。
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