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だから私は、嫌いだと
作り物のように、寸分の狂いもない輝かんばかりの美貌を、女神は歪めた。
顔を僅かに歪めただけなのだが。
女神を怒らせた本人であるクラウンは、崩すことのない真意の見えぬ笑みを分かりやすく不愉快の色に染めた。
これではどちらが悪いのか、一見ではわからない。
私は君が嫌いだ、いや嫌いだったが今はとても憎い。
今すぐ存在を滅してやりたいくらいにね。
それが脅しでないことは、クラウンの苛立ちを示す、棘を持った小宇宙で誰もが理解した。
「わたくしを拒絶しておきながら、そのような人の子を。ダメよ、わたくしの方が……」
「ああ、美しいね。だが美しいのは見かけだけだ。己の司りし権化に溺れたか、アフロディテよ」
そのクラウンの非情なる言葉は、今までアフロディテが培ってきたもの、プライドを砕くには充分だった。
わたくしが欲しいと思った存在は、あの忌々しい少女にしか扱えないというの?
「千景を傷付けるものは、全て憎い、大嫌いだ消えてしまえ」
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