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ただ貴女を待つ、と
幾ばくの年月を重ねたのか、呪縛に囚われた存在にはわかるはずもなかった。
凍え、体突き刺すその感覚を、疾うに忘れてしまった。
ああ、無情。
このまま死に逝くことも出来ず、ただただ縛られたまま尚も生を刻まねばならない、と。
だが、ただ一度。
ほんの一度だけでも、風に流され耳にした少女に逢いたい。
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