浅葱色の彼

嘘でしょうと呟いた少女を目にしながら、浅葱色の彼はその瞼をゆるりと閉じた。



「だって貴方……父さん」

「当たらずも遠からず、私は君の父の半身なのだから」



驚愕に色濃く支配されたカズナは、何を言っているのと、ただただ。

嗚呼、言わぬ方が良いだろうか。
私が死んだら君の父も死ぬ、と。
彼女の父は、己から分離した存在だから。

ああ、だが。



「私は既に死んでいたっけ」


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