最低最悪

慰めの言葉一つかけなかった。
最も偉大な魔法使いは、崩れ落ちる少女の涙が作る水溜まりをただ見ていた。
そこに映る己の顔はどんな色を浮かべているのか、知ったところでどうにもならない。

労いの言葉一つかけなかった。
アマヤの口から出た言葉を反芻する。

「先生は、最低最悪の博愛主義者です」

それは否定しようのない事実であると、男は喜んで受け入れた。
受け入れるという行為が何より少女を苛むと知っていながら。

ダンブルドアにアマヤを救う資格など、毛頭なかったのだ。


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