Look at xxx! 英語の時間、なんだか安田の機嫌が悪かった。普段は軽く注意して終わる頭髪チェックも厳しく、何人かの男子が怒鳴られていた。 「テメェ、何しに学校来てんだよ!」 「…安田に言われたくねよ」 「なんか言ったか!?」 「別に…」 頭を丸めた教科書で叩かれ、間抜けた音が教室に鳴る。 男子が安田に言い返したことについては素晴らしいと思うが、自分は笑ってられない。想い人の井浦もワックス愛用者の一人だからだ。ちらりと斜め後ろの席に視線をやった。 「井浦ぁ」 「何?」 小声で声をかけたのにもかかわらず、普段通りのボリュームで返答されびっくりする。安田はこちらに一瞥くれて終わりだったので、まだ運がいい。 「井浦も頭やばいんじゃないの?」 「そこまで頭悪くないよ」 「そっちじゃなくて…、ワックス!」 「え、俺最近ワックス使ってないよ」 「嘘ぉ」 「マジだって!」 髪がフワフワしてるからだろうか。ずっとワックスを使っているのだと思っていた。 「じゃあ、授業再開すんぞー」 安田の一声でせっかくの井浦との会話は中断。あとで、もう一回この件について話をしよう。 安田不機嫌授業がやっと終わり、休み時間に突入する。 井浦のところに行こう、そう思い席を立つと井浦はすでに私の真後ろにいた。びっくり。 「触ってみて」 頭をずんと突き出す。意外と小さい頭が何となく新鮮だった。 恐る恐る手を伸ばす。好きな人の頭とかってこんなに簡単に触れちゃっていいものなの? フワフワした感じは見た目通りで、意外と毛が太いことにも気が付いた。 「でしょ?」 のせていた手をよけると、井浦が顔を上げた。 「うん、ずっとつけてるもんだと思ってたわ」 井浦は満足げな顔で態勢を戻す。 「井浦のことちゃんと見てたら気づくって!」 (もっともっと、僕を見つめて) □■□ なんか夢小説を書くときのテンションがおかしい。 普通のCP文書いてる時と文が全然違うよね 最後の「」、どっちが言ってるのかわかりにくいね。井浦だよ、井浦。井浦が言ってんだよ。 20110324 |