「あああ、うるっせえええええッ!!」
ある日、堀さんが起きてすぐに叫んだ。
「ど、どうかした?」
堀さんは布団から勢いよく起き上がり、換気のためと開けていた窓を勢いよく閉めた。
「寒かった? ごめんね」
「違うわよ!」
またしても叫ぶ。
「鳥の鳴き声がうるっさいのよぉ!」
「ええぇ…」
俺は反駁する。いくらなんでも、うるさいって。鳥からしたらしゃべってるだけなのに。
堀さんの大声に創太と京介さんも起きだしてくる。
「おねえちゃんうるさーい」
「京子うるさいぞー」
「だってぇ…っ」
事情を簡単に話すと恭介さんが、ぐはははと笑い出した。
「鳥ぐらい、いいじゃねえかぁ。いずれは俺たちの晩飯だぜぇ?」
俺は窓をカラカラと開け、近くの木にとまる小鳥を覗き込んだ。
「落ち着いて聞いたら歌声なのになぁ」
(その歌声のせいで、君の声が聞こえないの)
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