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「堀さん、歯が痛くなったからちょっと見てー」
「何、虫歯でもできてんじゃないのぉ?」
「えー、見てみてー」
 堀が宮村の口を覗き込むと、予想以上の光景が口内に広がっていた。
「あんた、乳歯!」
「えぇ!?」
「絶対そうだってぇ!」
 堀が宮村の下の歯を指で動かす。カコカコて揺れる歯は、乳歯らしさを物語っていた。
「血も出てたんじゃないの?」
「たまに…」
「ほらぁ。今までに何本抜けたかわかる?」
「わかんないなぁ」
 うーん、と宮村は小首をかしげた。
 口の中で歯を動かそうとしているのか、口がもごもごしている。
「ていうか、歯って何本抜けるもんなの? 25本ぐらい?」
「なんで上下左右、歯ァ生えてて抜けんのが奇数なのよ」
「あー、そっかぁ」

後日―…

「堀さーん!」
「うわっ、緑…。どうしたのよ」
「ぼそっとひどいこと言わないで! 井浦ねえ、最後の乳歯抜けたんだよ! しかも、歯、全部生えてきたんだよ!」
「抜けたのって最後のやつ何本目よ」
「25本目!」
「ちげえよ!」



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