事情聴取



※フリリク小説です
この小説は麦さんのみ持ち帰りokです!
リクエスト:宮堀・ギャグ



「あぁぁッ!!」
「何! どうしたの!」
放課後、堀さんと帰りが別で一人で堀さんの家に行った。堀さんがドアを開けるなり、大声を上げるのでものすごく驚いた。
「あんた…、あんた!」
「それじゃわかんないよ!」
堀さんは俺の腕を引っ張り玄関に俺を引き込んだ。警察犬のような勢いで俺の体中をかぎまわる。
「渡部臭!」
「えぇ!? 今日、渡部くんと話してないよ?」
「でも…でも、これは確実に渡部臭だわ!」
そういって、倉庫にある消臭剤を何度も俺の服に吹きかけた。なんか…俺が臭いみたいじゃん。
「いつつけられたのよ、こんなに!」
「知らないよ…」
今日は水曜日だけど、今週渡部くんと話した回数は0だ。そうなると、渡部くんがこっそり俺の近くに常にいるということしか考えられない。今までの素行を見ると。
「明日、渡部は事情聴取ね!」



そうして渡部くんは、石川くんの立会いの下、事情聴取を受ける羽目になった。
俺はいいよ、と言ったが堀さんは「うるさい」の一点張り。
そのうえ俺は居たら危ないからと、廊下で立ち聞きのようなことをさせられた。
そしてついに、1組の教室で机を2つくっつけての、堀さんと渡部くんの事情聴取が始まった。
「今から事情聴取を始めるわ!」
「ねえ、宮村くんは? 僕、石川くんに宮村が用があるからって言われたんだけど」
「危険レベル1ね…」
堀さんはルーズリーフに何かをメモした。堀さんの中には危険レベルというものがあるのか。
そこで石川くんが話し始める。
「渡部よ…お前は宮村に何がしたいんだ」
「前にも言ったじゃないか。データに残したいんだよ」
「レベル2…」
渡部くんっていい人なんだけどね…。少し、変わってるっていうか。堀さんと同じくらい変わってる。
「じゃあ、もし宮村が普通に写真撮っていいって言ったら、どうする?」
「連射モードでまぶたの動きまで追うよ」
「レベル3だわ」
「宮村のために機材とかって自腹で買ったのか?」
「もちろんさ!」
堂々という渡部くんに石川くんが顔色を悪くした。堀さんの頭には角が見える。渡部くん、死なないでね…。
「あ!」
渡部くんが不意に大声を出した。堀さんが渡部くんをじろりとにらむ。
「どうしたのよ」
「今…宮村くんが僕のことを考えてるよ!」
石川くんがぼそっと以心伝心、と呟いた。堀さんに腹を殴られてる。ごめん。
そして不意に渡部くんが振り向いた。
「やべっ」
声を出して逃げ出そうとすると、教室のドアのすぐそこには携帯のカメラを構える渡部くんがいた。

渡部くんのこと、嫌いじゃないけど…怖い!

廊下を全力でダッシュし、渡部くんから逃れようと汗を流した。

「あれは…犯罪者だわ」
「もうギリギリアウトじゃなくなってるしな」
「あれはアウトよ! 思いっきりアウト!」


(アウト!)



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