0227 23:33

2〜3年前くらいの保存メールメモに残ってた、いまいち記憶にない残骸たち


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僕にだけ見せる君の膨れっ面がすきだよ
君の涙はいつだって幸せな味がするんだね

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あなたがいないと世界が終わるんだと思ってた。きっと、生きてなんかいけないんだろうって。だけど目が覚めたらお腹は空くし頭は痛い、悲しくて苦しいのにトイレだって行きたいし、仕方がないから体を起こして洗面台で顔を洗った。絶望的な気分になっているのに、それでも歯を磨けば少しだけスッキリしたような気分になる。人間って、結構しぶとい。もっともっと繊細な生き物ならよかったのに。そう思っても、あなたの作った不格好なオニギリはどうしたって美味しくて、あたしは少しだけ泣いてしまった。


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(それでも、ねえ、どうか、お願いです)

(私はその言葉をどうしても、あの子に、送りたかった、)

(あなたに、ちゃんと送っていきたかった、)


「……ねえ。だいすきよ、縞子。しあわせな夢をごらんになってね、」

きらきらと輝く美しい光の中で、優しいあの子の横顔を、もう一度だけ見つめることが出来たなら。
胸に滲む、不毛な仮定。
それを自嘲して、音もなく誰も居ない部屋を後にする。

参加者の居ない秘密のお茶会。

それでも私は、あなたの姿をそこに探してしまう。


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私は、劣等感の塊が息をして歩いているようなものなのだ。
他人と自分を比べては、ぐじゅぐじゅと浅い傷口へ、無理矢理に自分で爪を立てて痛い顔をして、ほら、痛そうでしょう?と笑う毎日。

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私が、最初から過度な期待を抱かなければいいだけなんだってことは、重々承知しているのです。
だけれど、期待したくなるような言葉を、優しさを、向けてくれたのは、じゃあ、いったい誰なのですかと問いたくなる私は、幼稚で、利己的で、考えるだけで恥ずかしい。
あなたはそんな人じゃないと思っていたのに、だなんて、そんなお決まりの面白くない台詞を私は用意してなんかいないけれど、私はあなたを利用しようとも、ダシにしようとも、ここから逃げる理由にしようとも思わなかったよ。
思ってもいないし、思うことは、きっとこれから先一度だってない。
絶対そうだと断言できる。
でも、あなたはとても簡単に口にした。私に是と言わせやすいようにして、言った。あなたもまた、私とは違う部分で利己的であるのだと、知ってしまった。
だから少しだけ、私は悲しかった。
…でもね、たくさん悲しくはなかったの。
だって、これは二度目だったから。ダメージはある意味軽減されている。
自分の危険を回避するために、私を巻き込むという選択肢が一番に来る、名案だと言う。私を案じてくれたりもするというのに、それならばどうして、あなたは己に非がありながらも実害を以てして、それを清算しようとはしないのか。
私とあなたとでは立場が違うから?
私なら平気だから?
私が、平気だと言ったから?
わからない。
あなたの心は、あなたが口にする言葉のすぐ裏側に隠されているみたいで、何も見えない。
だから、わからない。
…だけど、それでよかったのかもしれないとも思う。
私は、確かに平気だったから。
言葉にした通り、平気だったから。

(そう、見せかけられる程度には)

泣きたいのだか笑いたいのだかわからない、そんな気分で私は笑う。
平気。
平気だ。
平気です。
ちがう、本当は平気なんかじゃない。
あなたからそんな言葉を向けられると、私は、胸が痛くなる。隠された仮面越しみたいに、視界が悪くて喉が痛い。
私たち、いつからこんなふうにお話ししていたんだろう。
考えてみても答えは出なくて、私は目の前のあなたに曖昧な笑みを返すと「そうだね、いいんじゃないかな」と何度も繰り返してきた台詞を無意識に乾いた声で返していた。
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