『あっ...きら...ッ...んっ...待っ、て...』


「ん?何?」


『お風呂...入ってない...』







家に帰って、玄関のドアが閉まる音を合図に雪崩れ込むように触れるだけのキスと、深いキスを何度も繰り返した。彰の舌が私の口内を優しくなぞって、私の甘い声が隙間から漏れていく。お世辞にも広いと言えない玄関のせいで、お互いの足がもつれて倒れそうになる。彰が私の腰を手で支えながら「中、入ろうか」と唇を離して優しく囁いた言葉に私はコクリと頷いて、私と彰はベッドへと移動した。何度かキスを繰り返してからお風呂に入っていないことに気づくと、私は彰に『待って』とストップをかけるのに、彰は「花子ちゃんの匂いなら、濃い方がいい」と恥ずかしい様な、歯の浮く様な甘いセリフを口にして、そう言うことじゃない。私は彰を探し回って汗だくだし、潮風にも当たったし、なんて頭の中で言い訳を並べるのに、彰の口付けで黙るしかなくなった。キスと同時に服の中へ潜り込む彰の手が、指が、いつも以上に熱く感じる。触れたところから熱を帯びて、広がって、私の頭も顔も身体も、胸も、全部が熱くなっていく。「花子ちゃん、脱いで」と言った彰の言葉に私は眉を寄せてからギュッと一度目を強く瞑って、瞼を持ち上げて彰を見つめ直すと、私は静かに上半身だけ起き上がらせる。電気をつけないままの薄暗い静かな部屋の中で、軋んだベッドのスプリング音と、私たちの息遣いと、心臓の音まで聞こえそうな気がした。私が洋服の端に手をかけて、ゆっくりと服を脱ぎ捨てると、彰も同時に洋服を床へと脱ぎ捨てていく。洋服を脱ぐ事なんて一瞬の出来事な筈なのに、スローモーションの様にゆっくりと時間が過ぎている気がして、私は彰から目が離せない。彰が私の頬に手を寄せて、ゆっくりと顔を近づけてくると、触れるだけのキスをしながら私の下着のホックに手をかける。ホックが外れた下着の紐が彰の手によってゆっくりと私から離されると、少しだけ肌寒いような気がしたのに、彰の口付けと、私のくびれに触れた彰の手で、すぐに身体が熱くなっていった。軽く響いたリップ音の後、彰の舌が私の唇をなぞって、私は答える様に口を開く。滑り込む様に入ってきた彰の舌が、いつもの様に私の上顎をなぞって、私の舌が絡め取られる。くびれをなぞった彰の手が私の胸へと進んでいくと、やんわりと揉まれた胸から、私の鼓動が彰の手に伝わってしまうんじゃないかと余計にドキドキしてしまう。彰はキスをしながら私をベッドへと押し倒して、舌を吸い上げながら離した唇の隙間から「緊張してるの?」なんて笑みを含んだ声で囁いた。






『だって...彰が洋服脱ぐの初めて見たし...』


『あれ?そうだっけ?」


『うん...いつも、私だけだったから...』


「じゃあ今日は、たくさんくっつこうか」






言いながら彰が私の唇を再び塞いで、胸を揉んでいた彰の手が私の胸の突起へ移動すると、彰の指先が私の胸の突起を掠める。口から漏れる私の甘い声を塞ぐ様に彰の唇が私の唇に押し付けられて、まるで、本当に食べられている気分になった。キスだけで頭が真っ白になるのに、ゆっくりと指でなぞられる突起の周りと、たまに掠める指先にビクッと身体を振るわせると、彰は「甘い匂いが濃くなってきたね」なんて笑みを含んだ声で囁いていく。感じているだなんて自分でも自覚しているのに、彰に言葉にされるとドキドキして、胸が熱くなって、身体も熱くなる。なぞられる感覚がもどかしくて、私は懇願する様に彰の唇に自分の唇を近づけるのに、彰は顔を少し引いて「なに?」なんて意地悪そうな笑みを浮かべて私を見つめた。私は動揺した様に瞳を揺らしながら下唇をギュッと噛んで、唇にかかる彰の吐息を追いかける様に彰へ唇を押し付けて吸い上げながら一度唇を離すと『ちゃんと...触って欲しい...』と小さく呟いて彰を見つめる。彰はフッと小さく笑って、私の言葉通りに胸の突起を弾く様に指で触れると「えっちだね」なんて言って私の唇を優しく塞いだ。胸の突起を指でこねる様に弄りながら、彰の舌が私の口内を犯していく。ジワリと熱くなって濡れた感覚が私の身体を駆け巡って、ビクッと腰が震えると同時に私の甘い声が塞がれた口の隙間から小さく漏れる。もっと、もっと触って欲しい。彰に触られると自分が自分じゃなくなる様で怖いのに、身を、任せたくなる。枕元に置いていた腕を彰の首に回すと彰は一瞬驚いた様に唇を離して、私を見つめると「今日は甘えたい気分なの?」と目を細めてから「可愛い」なんて言って私の唇を再び奪った。溶ける様に熱い舌が、まるで全身の神経がそこに集まっているかの様に敏感になって、ジュルッと私の唾液を吸い上げる音が響いて余計に身体が熱くなる。ちゅっと軽く響いたリップ音の後に、彰が私の首元に顔を埋めていく。なぞられる様に舌が這うと私は身体を震わせて、甘い声を口から漏らした。徐々に降りていく彰の顔が、私の胸に到達すると、彰の唇が私の胸の突起に触れる。今までしていたことがあるのに、初めて彰が触れてきた様な感覚に陥って、緊張と、快感と、好きと言う気持ちが溢れた様に私の心臓を高鳴らせていく。彰の舌が這う度にビクッと震えた私の腰が、密着していく彰の身体に触れそうになって『あ』と余計に声を漏らしてしまう。彰は小さく笑って私の唇まで顔を近づけると「我慢できなくなっちゃった?」なんて、吐息混じりの声で囁いた。







『やっ...ちが...ちょ、あの...』


「違うの?」


『待って...ッ!』


「確認、しようか」






彰が意地悪そうに笑った後、私の唇を優しく塞ぎながら彰の指が私の胸から下腹部へと移動する。彰の指で肌をなぞられる度に震える私の身体が、まるで期待するみたいに余計に熱くなっていく。ズボンと下着の隙間から入れられた彰の手が私の秘部の割れ目をなぞった瞬間、彰が私の唇を離したかと思えば「なんでこんなに濡れてるの?」なんて笑うと、彰の指が私の愛液を絡め取って、塗りつける様に秘部の突起を優しく擦った。彰が私の耳に移動して「ここもコリコリだね」と意地悪そうな笑みを含んだ声で囁いて、私の秘部の突起を擦る。耳に彰の舌が這った途端にゾクゾク走り抜ける快感と、ひくついた私の秘部がもっと触って欲しいと勝手に疼いた。秘部の突起を擦る速度が早くなって、私の腰が彰の腕に擦りつく様に反っていくと、彰が「...ねぇ...花子ちゃん、いつからそんなにおねだり上手になったの?」なんて吐息まじりの声で囁いていく。熱い吐息が私の耳に掠めると、私は『おねだりじゃない』と軽く否定をしながら自分の両手で口を塞いだ。「へー...違うんだ」と笑みを含んだ声で言った彰が私の秘部の突起を押しつぶす。ビクッと身体を震わせながら漏れた声が私の手の隙間から溢れていって、彰が私の秘部の突起を擦り続けると、私は呆気なく絶頂を迎えていった。達した瞬間にどろっと愛液が溢れた感覚がして、彰が指ですくう様に秘部の割れ目を何度か往復していく。愛液が絡んだであろう指を彰が口元に持っていってちゅっとリップ音を響かせて舐め取った後「下着濡れちゃうから脱ごうか...でももう遅いかな?」と意地悪そうに笑ってから彰が私のズボンと下着へ手をかけて、ゆっくりとズラしながら私の下腹部を露出させる。私の肌にキスをしながら降りていく彰の顔が私の下腹部へと移動して、私が思わず内腿に力を入れると、彰の手がそれを許さないとでも言う様に私の内腿に手をかけた。






「グショグショになってるね」


『ッ...待っ...イッた...ばっかりだから...』


「なんで?イッたばっかりの中触られたら、凄い気持ちいのに?」






「花子ちゃんが言うなら、仕方ないな...」とわざとらしく溜め息を吐いて、彰の舌が私の秘部の突起を這う。達したばかりで朦朧とする頭の中で私は、待ってと言わなかったっけ?なんて思いつつ、達して敏感になった秘部の突起を刺激して欲しくなくて、逃げる様に身体をよじった。彰は「逃げないで」と優しい声で囁いながら秘部の突起に吸い付いて、私の太腿を腕で固定する様に掴んでいく。『嫌っ』なんて甘い声と共に口にした言葉を聞く気なんてないみたいに、彰の舌が何度も私の秘部を這う。疼いた膣内がヒクついて、震える腰が再び絶頂を知らせていく。彰は「花子ちゃんが触って欲しいって言うまで、中は触らないから、安心して」と何に安心していいんだか分からない言葉を口から漏らして、私はどこに縋って良いのかわからない手でベッドシーツをギュッと握りしめていった。







Back