『ッ...キス、だけって...』


「ん?キスだけしかしてないよ?」





「別にキスする場所は限定してないし」と彰が私の胸元に唇を押し当てる。ドキドキ早くなる心臓と、熱くなっていく身体がまるで期待している様で、私の顔がカァッと熱くなっていく。彰がすでに剥ぎ取った私の下着を床へ放り投げたと思ったら、そのまま胸の突起に向かって口付けを落としていった。彰の唇が私の胸の突起に触れると、私の口からは小さく甘い声が漏れ出ていって、恥ずかしさから私は思わず自分の手で口を塞いだ。彰は小さく吐息まじりに笑って「キスって一言で言っても、色々種類があるからなぁ...」と意地悪そうな口調で呟いて私の胸に更に唇を寄せていく。「例えば舌でなぞったり、歯で軽く噛んだり、舌を絡めたり...吸い上げたり」なんて彰がキスの仕方をレクチャーする様に私の胸突起を舌でなぞって、軽く噛む、そのまま舌を這わせながらちゅっと吸い上げられると、私の身体は喜んでいる様に小さく震えた。何、それ、意味わかんない。それキスって言うの?詐欺でしょ。とかなんとか心の中で叫んでは消える私の言葉が口から漏れることはなくて、彰の唇に翻弄される様な感覚に悶えながら口を覆う手に力を込めていく。






『ふっ...ん、ん...っ...』


「花子ちゃんは、どんなキスが好きなの?」


『ん...っ...』


「ねぇ、教えて」


『やっ...!』







手首を掴まれて、無理矢理私の手が口から引き剥がされると、彰は胸の突起を吸い上げてからまた「花子ちゃん、聞いてる?」と催促する様に問いかける。私は、"とりあえず胸から退いてください"なんて言えなくて、『く、くち、口にする...普通のやつ...』と声を絞り出す様に答えると、彰は「へぇ』なんて言って私の胸の突起から唇を離した。やめてくれたと思った途端に唇が塞がれて、唇の隙間から彰の舌がヌルリと入り込む。え?え、え?と、困惑している私をよそに、彰の手が私の手首から離れたと思ったら、彰の指先が私の胸の突起を摘まむ。私が驚いた様に身体に力を込めると、彰は私の舌を絡めとりながらなぞる様に口内を犯して、くすぐったいのに気持ちいい感覚と胸の突起が指で弄られてゾクゾクと走る快感のせいで頭が白くなっていく。口の隙間から漏れる私の甘い声と、ジワッと身体の中から熱くなるような感覚から逃げたくて、彰のシャツをギュッと掴んだ。彰は少し唇を離して私を見つめると「なんでそんな、物欲しそうな顔してるの?」なんて小さく笑った。私は、物欲しそうな顔なんて分からないし、見られていることが恥ずかしいしで、快感のせいで滲んだ瞳を誤魔化す様に彰から視線を逸らしていく。彰は私の胸の突起を弄りながら、ちゅっとリップ音を鳴らして軽く口付けた後「ここに、キスしてもいい?」と、指先を胸から下腹部へ滑らせる。私がビクッと身体を震わせながら『だめ』と彰のシャツを更に強く握ると、彰は「じゃあ、さっき言ってた会社の先輩にどこまで触られたの?」なんて、まるで嫉妬しているみたいな言葉を口から漏らした。私が『え?』と瞬きしながら彰を見つめなおすと、彰は困ったように眉を寄せながら小さく笑って「他の男の匂いなんか、させないで」と言ってまた私の唇を塞いだ。なにそれ、勘違いする。契約しているからなのかも知れないけど、やばい。とドキドキと早くなっていく私の心臓の音が煩くて、同時に口から漏れる水音と、私の甘ったるい声と、彰の吐息が妙に耳に響いていく。どんどん深くなる口付けと、ダメと言ったのに進んでいく彰の指先が私の秘部に到達して、下着越しなのにクチュッと小さく聞こえた水音が部屋に響いた気がした。その音を聞いた途端に鼻から抜ける様な彰の笑う吐息が聞こえて、恥ずかしくて瞼をギュッと強く閉じると、彰の指が下着越しに私の秘部の突起をなぞる。途端に止まらなくなる私の甘い声が、彰の唇に吸い取られていくみたいで更にドキドキと鼓動が早くなって、ゾクゾクっと私の背中に何かが走った。






『ッ...ゃっ、あ、あっ...』


「ここ撫でてるだけなのにそんな声出しちゃって...やらしー...」


『あっ、きらが...っん、んん』






彰が意地悪そうに笑って、私の唇をまた塞ぐ。いまだに絡んでいる彰の手が私の指をギュッと握って、私も応えるように握り返していく。何度か角度を変えて深く口付けられると、頭が溶けそうなほどに真っ白になっていって、唇が離れても余韻に浸る様に呼吸をすることしかできなかった。彰は私を少しだけ見つめてから「ねぇ、会社の先輩にどこまで触られた?」と先ほどと同じ質問を繰り返して、私の秘部の突起を下着越しに優しくなぞる。ボーッとして彰を見つめていると、彰の指が下着を器用に避け始めて私は焦った様に『あ、ちょ...く、首だけ!多分首だけです!』と声を荒げた。






「ん?何?多分って」


『寝てたんで...』


「...ふーん、それってヤられてるかも知れないってことだよね?」


『土屋先輩は...そんなこと、しないですし...』


「あー、なるほどね...」






「ツチヤ先輩のこと、好きなんだ?」と確定事項の様に問いかけられて思わず黙った。私が好きなのは、先輩ではなくて彰だから。だけどそれでもとまらない彰の指が私の秘部に直接触れると、私がどれだけ濡れているかを自覚させる様な水音が部屋に響いた。恥ずかしくて下唇を噛み締めると、彰は「ルールを、決めておこうか」と私を見つめた後「俺の事は、好きにならない事」なんて続ける様に言ってから指を秘部の割れ目へ滑らせて「彼氏ができたら、俺は花子ちゃんから精気は貰わないから...ちゃんと言うこと」と私の唇を塞いだ。私は彰の言っている意味が理解できなくて、だって彰は契約した以上私からしか精気が貰えないんじゃないの?だとか、もう既に好きになっているから、ルールなんて意味ないし。だとかいろんなことが頭をグルグル回るのに、彰が私の秘部をなぞる感覚のせいで、塞がれた口の隙間から甘い声しか漏らせない。どうしたら良いのかわからない私は、彰のシャツをギュッと握りしめて、絡みついてくる彰の舌に応えるように舌を絡めることしか出来なかった。





契約とルール
(もう既に破ってるとは言えないし)





彰は何度か秘部の割れ目をなぞった後、確かめる様に濡れた指を自分の口元に持っていって、ちゅっと絡んだ愛液を舐め上げると「美味しい」なんて恥ずかしくなる様な台詞を吐いてから続ける様に「今日はここまで...次はもっと、ドロドロにしてあげる」と私の耳元で囁いてくる。私はその言葉に下唇を噛み締めながら、ジンジンと疼いた秘部を隠す様に掴んでいた彰のシャツを静かに離した。









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